経営に役立つマネジメントシステムを目指して(1/3)
中小企業にニーズ高まるISO認証
企業など、組織の管理運営の仕組みである「マネジメントシステム」の国際規格として世界的に普及するISO。品質マネジメントシステム「ISO9001」、環境マネジメントシステム「ISO14001」、情報セキュリティマネジメントシステム「ISO27001」などの認証・登録をする企業は、業種や事業規模に関わらず増えています。
萩原睦幸さんは、ISOの発祥地であるイギリスの認証機関「DAS」の日本支部「DASジャパン」の代表。2006年の設立以来、建設、メーカー、サービス等、幅広い業種の組織においてISO認証の審査、登録を手がけてきました。
萩原さんとISOの関係は深く、大学院卒業後に勤務した電機メーカーで、ISOマネジメントシステム構築に関する業務に従事。その後、独立してISO認証の審査会社を立ち上げ、多くの企業の認証取得を支援してきました。つまり、萩原さんはISOで審査する側・される側双方の視点から同制度をつぶさに見てきたエキスパートなのです。
そんな萩原さん、日本企業のISOへの注目の高まりについてこう語ります。
「企業活動のグローバル化により、さまざまな国の人が一つの組織で働くことが珍しくなくなり、マネジメントシステムの国際的な標準化の意義は増しています。個別には、環境問題への関心の高まりから、取引先のみならず一般消費者にもアピールとなるISO14001の取得が増加しています。また、情報漏洩に関する事件が頻発していることから、あらゆる業種でISO27001への注目が高まり、大企業と取引する際に取得が条件となっているケースもあります」