週刊文春の実力
さまざまな世の中の出来事が、週刊誌「週刊文春」で次々と明らかにされてきたのは紛れもない事実だ。国や大手企業の不祥事、芸能人の不可解な行動や不倫など、一般の人はこの週刊誌の記事により、初めて事実を知ったという人が大半ではないのか。もともとこの週刊誌は、日本を代表する雑誌でかつ格調の高い「文芸春秋」の分身的な位置づけである。
実は私も今から25年ほど前の日本にISOが導入されたころ、文芸春秋社からインタビューを受け、その記事が掲載された経験があり、私の経歴の大きなブランドとなっている。
これらの記事はジャーナリストと呼ばれているフリーで活動している人の執筆が多く、かれらは世の中のさまざまなできごとを独自に取材した証拠をもとにその真実を明らかにする使命を負っている。彼らの記事は、何らかの証拠に基づいてのそれが大半であり、それだけに説得力をもっている。今話題の「統一教会」の記事にしても、我々がまったく知らない情報が次々と明らかにされる現実に対して、その取材力・表現力のレベルの高さに尊敬の念を抱くほどだ。一方中には取材が不十分で、いまいち証拠に疑問符がついたり、またその表現が極論だったりして訴訟沙汰になることも少なくないが、国民が知らない世界がこの記事で明らかにされること自体、大いに評価されてもよいのではないか。
さて、ものごとの真実を明らかにする点では、朝日、毎日、読売、産経、日経新聞などもその使命を負っているが、何の制約もなくずばり単刀直入に真実を記事にする週刊文春には、とても及ばないだろう。