本物の実力者!
何時のころからか、通常の仕事をこなすと同時に、ほかの仕事もしないと時間の無駄と思うようになっていた。一つの例がサラリーマン時代の行動だ。毎月の給料を頂いていることから、目の前の仕事が最優先だというのは当然わかっているが、それだけでは何か物足りなさを感じていた。その対象が「執筆」だった。仕事の成果をまとめるのも一つの執筆かもしれないが、内容は明らかに違っていた。当時「国際規格ISO」については、ほとんど世に知られていなかったので、これを世の中に知ってもらう手段として、執筆を通じた著書出版が一番効果的ではないかと思いついた。もちろんサラリーマンなので、勤務時間の執筆はあってはならない。当時在籍していた企業は、入社当時から完全週休2日制をうたい文句にしていたこともあり、もっぱら土日を執筆にあてた。執筆はもともと性に合っていることもあって、まったく苦にならないどころか楽しみでもあった。その後この著書が「ISOのベストセラー本」につながるわけだが、私自身当時のISO事務局で経験したことをまとめただけであり、まさかその著書がベストセラーになるとは、単なる偶然に過ぎないと思っている。
ところで人の一生は、何かのきっかけで成功したり逆だったりすることはよくあることだ。ここで重要なことは、たまたま成功したことに安住せず、それにふさわしく、かつそれを上回る実力をつけることこそ、本物の実力者ではないだろうか。