多様性
均質の仲間からは、なかなかよいアイデアが生まれてこないことはよく知られている。昨今の東大合格者のほとんどが、都内及び地方の中高一貫教育の卒業者というから驚きだ。これでは多様性どころか、皆同じような教育を受け、まさに似たり寄ったりの考えであり、そこに何かの新しい発想を求めるのは無理かもしれない。やがて彼らは、エリートとして中央官庁に入り、我が国を牽引する立場になることから、この国は大きく変わらないことが予測できてしまう。
何かの新しい発想やアイデアは、多様性すなわち様々な考えや価値観の違いなどがベースになり生まれてくるのではないか。例えば自分では当たり前のことが、ほかの人からは違和感を抱かれ、それをきっかけに議論が生まれ新しい発想につながることは大いにあり得るのだ。そうであれば、東大合格者の常連校に人数制限を設定し、もしそんなに学力に違いがなければ、受験に特化した学校以外の学生を優先して入学させたらどうかと思う。
これは今の学力に偏った大学入試のあり方にも大いに影響してくるだろう。単なる学力点数は半分程度とし、その他の特技や趣味などの程度を点数化し、それらの総合点で判定することにより、まさに多様性を備えた学生を確保できるにことになろう。これからの世の中は、何かのきっかけで劇的に変化することは大いにあり得るし、それに追従できる人間が求められるはずだ。その意味では、今までの均一性から多様性を重視する時代が到来したともいえよう。