行政のパフォーマンス?
環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001が初めて発行されたのが1994年。
今から25年ほど前のこと。当時は物珍しいこともあり、行政も乗る気で、全国の市役所を中心にこの環境マネジメントシステムの導入が相次いだ。しかしながらその後どうなったか?
なんとこのシステムを苦労して導入したにもかかわらず、続々とISO14001の返上が相次いだのである。その理由としては、ISO14001の認証維持コストがかかる、とりあえず環境負荷低減が実現できたので外部のチェックなど不要だ、などの理由が大半だったのだ。
実はISOの仕組みというのは、そんなに簡単ではない。時代環境が変わればそれに追従したシステムに改善する必要がある。
だとすれば、このISOをうまく活用するためには、行政はISOを返上したとしても、その後の環境の変化に従い、この環境マネジメントシステムを見直し・改善する必要があるのだ。実際にISOを返上した行政自ら仕組みを見直し、その後このマネジメントシステムを今でも効果的に活用しているところは、ほとんど見かけない。
まさにISO14001が発行された時期に合わせた、行政の環境活動に対する国民へのパフォーマンスだったに違いない。
さてISOは民間主導で普及されることが基本であるが、行政の考え方やバックアップも時には必要なのである。ましてや地球温暖化が世界で最も大きな話題になりつつある今日、ISO14001の普及が伸び悩んでいるのは、国の姿勢にも問題があるといえるのではないか。