経営に役立つマネジメントシステムを目指して(3/3)
啓発活動で「真のISO」を広める
萩原さんには使命感があります。それはISOを「やらされる」ものではなく、企業経営の役に立つよう積極的に活用するものにすることです。
そのために重視するのが執筆活動。萩原さんはメーカー勤務時代からISOに関する著作を出版。とくに2001年に出版した『新ISOが見る見るわかる』(サンマーク出版)は、全国のISO関係者に愛読され、累計15万部を売り上げるロングセラーとなりました。最近では、2017年に発刊した『ISOは経営をダメにする』(幻冬舎)が、現状への問題提起として注目されています。
「『ISOは経営をダメにする』は、刺激的なタイトルですが、もちろんISOが不要という内容ではありません。経営改善に本当に役立つマネジメントシステム構築のため、ISOの本来の意図を正しく理解するという意味が込められています」
執筆のほか、企業や学校、商工会議所や業界団体での講演、セミナーも積極的に実施。その活躍は国内にとどまらず、中国や韓国、東南アジア各国にも広がっています。
「最近は、生産性向上や効率化、顧客満足向上のためのマネジメントシステムの重要性に関する認識が高まり、経営改善のため積極的に利用する経営者が増えてきたようにも感じています。今後も質の高い審査を提供することで、中小企業のビジネス発展の後押しをしていきたいと思っています」
会社を強くする「真のISO」のあり方を見つめ続けてきた萩原さん。経営環境が大きく変化する現代、その使命を新たにしていました。